このページの内容
まず結論から
IOSTは、とても実務的な意味で「アジアのコイン」です。取引の大部分も、当局の監督を受けた取引所での上場も、古くからの保有者も、アジアのいくつかの市場に集中しています。とはいえ、アジアはひとつの市場ではありません。大阪で買う人、釜山で買う人、ホーチミンで買う人は、同じトークンを手にするにもかかわらず、ルールも取引所も税金もまったく違う世界にいます。
いちばんわかりやすいのは、2つのグループに分けて考えることです。日本・韓国・タイ・インドネシアでは、自国の規制当局が監督する取引所で、自国通貨のままIOSTを買えます。台湾とベトナムには、IOSTを扱う国内の取引所がありません。そのため、まず暗号資産を手に入れてから海外の取引所でIOSTに交換する人が多く、そこには法的なグレーゾーンもついて回ります。手数料も税金も、どのネットワークを使うかも、このページで扱う話のほとんどは「自分の国がどちらのグループか」で決まります。
日本在住の方なら、答えはほぼ決まっています。金融庁に登録された取引所のうちIOSTを扱う4社から選ぶのが基本で、詳しくは日本でIOSTを買う方法にまとめました。一般的な購入手順だけ知りたい方はIOSTの買い方へどうぞ。自分の国でどの取引所がIOSTを扱っていて、その板がどれくらい厚いのかを知りたい方は、このまま読み進めるか、下の国別ガイドに進んでください。
6つの市場を比較
下の表では、暗号資産を監督する当局、国内でIOSTを取引できる場所、税金の要点、そしてカードで暗号資産を買う先としてこのサイトで紹介している老舗取引所CEX.IOがその国の居住者を受け付けているかを並べました。チップを押すとルートの種類で絞り込めます。国名をクリックすると各国の詳しいガイドに移動します。
| 市場 | 規制当局 | 国内のIOST取扱い | 税金の要点 | CEX.IOの利用 |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 金融庁(資金決済法。金商法への移行が成立) | IOST/JPY:Coincheck、OKJ、BitTrade、Binance Japan | 雑所得、最高約55% | 不可(居住者を受け付けない) |
| 韓国 | FSC・FSS・KoFIU | KRW-IOST:Upbit、Bithumb、Coinone/UpbitはBTC-IOSTも | ₩250万超に22%(2027年予定) | 可(一部銘柄に制限) |
| 台湾 | FSC(AML登録制。VASP法が成立) | なし(台湾ドルで暗号資産を買い、海外で交換) | 財産取引所得(報道ベース) | 可(台湾では未登録) |
| タイ | SEC(2018年デジタル資産勅令) | IOST/THB:Bitkub/IOST/USDT:Binance TH | 認可業者での利益は2025〜2029年非課税 | 可(SEC未認可) |
| ベトナム | 財務省・国家証券委員会のパイロット制度/法律71/2025 | 認可業者なし(P2Pで暗号資産→海外取引所) | 送金ごとに0.1%(認可業者) | 可(ベトナムのライセンスなし) |
| インドネシア | OJK(2025年1月10日から) | IOST/IDR:Bittime、Indodax/IOST/USDT:Tokocrypto | 国内0.21%・海外1%の最終所得税 | 可(OJK認可業者ではない) |
出典:金融庁登録一覧、JVCEA、Upbitのお知らせ、タイSECのライセンス検索、CFXの銘柄リスト、台湾FSCの登録一覧、CEX.IOヘルプセンター。税金欄は要点のみで、税務アドバイスではありません。
この表を見て驚く人が多いポイントが2つあります。ひとつは、登録業者でのIOST上場がもっとも多い日本が、取引量では一番ではないことです。その座にいるのは韓国です。もうひとつは、CEX.IOがどの国でもIOSTを上場していないことです。CEX.IOの役割はあくまで暗号資産ルートの最初の一歩に限られ、日本ではその役割すらありません。
自国通貨ペアと暗号資産ルート
自国通貨ペアとは、IOSTが円・ウォン・バーツ・ルピアと直接取引される板のことです。銀行から取引所に入金し、IOSTを買えばそれで完了します。取引所は本人確認を行い、国内のルールに沿って資金を管理し、苦情を申し立てられる規制当局に報告しています。タイではSECの認可を受けた取引所で買えば2025〜2029年のキャピタルゲイン非課税の対象に入り、インドネシアでは国内の取引所を使えば最終所得税が海外の1%ではなく0.21%で済みます。使えるなら国内で、というのは、手元に残るお金に直結する現実的な理由があるのです。
弱点は流動性です。自国通貨ペアの価値は、そこで取引する人の数で決まります。わかりやすい例が日本の円建て市場で、金融庁登録の4社がIOSTを扱っているのに板は薄く、大きな成行注文を出すと価格が動いてしまい、買値と売値の差も大手の取引所より広がります。さらに初心者向けアプリの「購入」ボタンは、板ではなくスプレッドを含んだ販売所につながっていることがよくあります。この点は日本のガイドで詳しく説明しています。
暗号資産ルートとは、まず暗号資産(多くはドル建てのステーブルコイン)を手に入れ、BinanceやOKXのような海外の取引所でIOSTに交換する方法です。そこのIOSTの板は厚く、スプレッドも狭めです。その代わり、コストは別のところにかかります。手順がひとつ増え、送金手数料がかかり、2つめの取引所口座が必要で、住んでいる国によっては規制上の問題も生じます。台湾の当局はAML目的で11社を登録していますが、IOSTを扱う会社はなく、大手の海外取引所はその一覧に入っていません。ベトナムはさらに厳しく、2026年9月1日から政令284/2026により、財務省の認可を受けていないプラットフォームで取引した居住者に3,000万〜5,000万ドンの罰金が科されます。私たちが最後に確認した時点では、認可はまだ一件も出ていませんでした。
台湾・ベトナムでよくある暗号資産ルート
実際には、自国通貨ペアがある国でも暗号資産ルートを使う人は大勢いますし、暗号資産ルートしかない国では自国通貨ペアがほしいと考える人も少なくありません。どちらかが正しくてどちらかが間違っている、という話ではありません。自国通貨ペアは流動性と引き換えに法的な安心を得る方法で、暗号資産ルートは法的な安心と引き換えに流動性を得る方法だ、ということです。
取引量はどこに集まっている?
IOSTのマーケットデータをどの日に見ても、目立つ取引所は2つです。BinanceのIOST/USDTと、韓国のUpbitのKRW-IOSTです。どちらも世界のIOST取引量のかなりの部分を日常的に占めていて、このガイドのために取得したスナップショットでは、Upbitの取引量は日本の円建ての板すべてを合わせた量の数十倍に達していました。韓国2番手のウォン市場であるBithumbと、タイのBitkubが2番手グループで、ルピア建てではBittimeの板が一番厚くなっています。CoincheckとOKJの円建て市場は小さく、BitTradeの円建ての板はほとんど約定がありません。最新の数字はIOSTの価格・チャートで、各国通貨でのレートはIOST円換算ツールで確認できます。
韓国の存在感はチェーン上のデータにも表れています。IOSTメインネットで最大のアカウントdunamuiostは、Upbitを運営するDunamuのもので、L1の供給量の約30%を保有しています。上位10アカウントの合計は約72%です。こうした大口残高の多くは取引所の顧客資産を預かるカストディ用のウォレットなので、1人のクジラがコインを支配しているわけではありません。むしろ、IOSTのかなりの部分が、ひとつの取引所を通じて韓国の個人投資家に保有されていることを示しています。保有ランキングの詳しい内訳はIOSTの発行枚数と供給量で解説しています。
これがなぜ大事なのか。流動性こそが実際のコストを決めるからです。板が薄い取引所の0.1%の手数料は、スプレッドとスリッページを足すと、板が厚い取引所の0.25%の手数料より高くつくことがあります。また、韓国の取引所のお知らせが市場全体を動かす理由もここにあります。韓国の取引所の共同協議体DAXAが2025年1月13日にIOSTへの注意喚起を出したとき、IOSTは取引注意銘柄に指定されたわけでも上場廃止になったわけでもないのに、反応は世界中に広がりました。
国別ガイド
各国のガイドでは、規制当局、IOSTを扱うすべての国内取引所、現地の人が実際にどう買っているか、税金、その国ならではのIOSTの歴史、そして現地で出回っている詐欺までを扱っています。国ごとに別のページにしているのは、それだけ市場が違うからです。日本は登録業者と販売所のスプレッド、韓国はUpbitとDAXAのお知らせ、タイはBitkubと非課税措置、インドネシアは公式の取扱可能銘柄リスト、ベトナムはまだ始まっていないパイロット制度、そして台湾は国内に上場先がないこと。それぞれ論点がはっきり分かれています。
全体像をつかむためのポイントをいくつか挙げておきます。日本では2020年9月8日にCoincheckがIOSTを上場し、これがアジアで最初の規制下での上場になりました。IOSTはJVCEAのグリーンリストに入っていますが、2026年の夏にはBITPOINTとCoinTradeが取扱いを終了しています。韓国では2018年7月25日からUpbitにKRW-IOSTが上場しています。タイのBitkubは2018年11月27日からIOST/THBを提供していて、タイの投資家はいまもIOSTを「เหรียญยาย(おばあちゃんコイン)」と呼びますが、その由来ははっきりしていません。インドネシアではIOSTがCFXの取扱可能銘柄リストに載っています。ベトナムと台湾は、暗号資産ルートが中心の市場です。
同じコイン、違うアプリ
韓国の人はUpbitを、タイの人はBitkubを、日本の人はCoincheckやOKJを開きます。トークンは同じでも、入金に使うネットワーク、メモ欄の扱い、エアドロップのルールはアプリによって違うことがあります。
ネットワーク・メモ・メンテナンスによる停止
どこで買うにしても、IOSTにはいま大きく分けて2つの形があります。ひとつは、IOSTメインネットで動く元祖のL1コインです。アカウント名あてに送金し、取引所に入金するときは入金を反映させるためのメモが必要です。もうひとつは、IOST 3.0で登場したBNBチェーン上のBEP-20トークンで、0xアドレスを使い、メモは不要です。私たちが確認したアジアの規制下の取引所は、CoincheckやUpbitを含め、入出金にL1ネットワークを使っています。日本や韓国の取引所がBEP-20版のIOSTを受け付けているという証拠は見つかりませんでした。違う形のIOSTを送ったり、メモを入れ忘れたりすると、コインを失うおそれがあります。両方のケースの手順はIOSTの送金方法で順を追って説明しています。
各国の取引所の対応が分かれるもうひとつの場面が、エアドロップです。取引所の保有者向けIOST 3.0エアドロップは、2025年3月15日 9時(日本時間)のスナップショットにもとづき、48か月かけて配布されます。ただし配布ペースは取引所ごとに違い、Upbitは毎月、CoincheckとBitTradeは半年ごと、Bitkubは毎月です。対応した取引所でIOSTを保有していた人は何もする必要がなく、取引所が付与してくれます。配布スケジュールの全体と、気をつけたい偽の受け取りサイトについてはIOSTエアドロップのガイドにまとめています。
カードで暗号資産を買うルートを正直に説明
このサイトでCEX.IOの名前を出すのは、ある限られた役割のためだけです。ここははっきりさせておきます。CEX.IOは2013年から運営されている取引所で、カード、Apple Pay、Google Payを使い、米ドル・ユーロ・英ポンド建てでBNBなどの暗号資産を買えます。ただしIOSTは上場していません。日本以外のアジアの利用者はネビスの法人CEX OVRS LLCと契約することになり、この法人はアジアのどの国のライセンスも持っていません。また、日本居住者はそもそも利用できません。韓国の利用者は一部の銘柄が制限される場合があります。
つまりルートはこうなります。カードで暗号資産を買い、それをIOSTを扱っていてお住まいの国の居住者が使える取引所へ送り、そこでIOSTを買う。自分で管理したいなら、最後に自分のウォレットへ移します。台湾やベトナム、あるいは地元の銀行から取引所への入金手段がない人には意味のあるルートです。一方で、自国通貨で監督下の取引所からIOSTを直接買える韓国やタイではあまり意味がなく、日本ではまったく使えません。
日本以外にお住まいなら、まずはステーブルコインから
カードで暗号資産を買い、お住まいの国で使えてIOSTを扱う取引所へ送ってから交換します。とくにベトナムとタイでは、先に現地のルールを確認してください。
日本にお住まいの方はCEX.IOを利用できません。国内でIOSTを買う場合は、金融庁に登録された暗号資産交換業者をご利用ください。
IOST購入者のための取引所レビュー
アジアでIOSTを買ううえで重要な5つの取引所を、一般的な暗号資産トレーダーではなく「IOSTを買う人」の視点でレビューしました。IOSTの板の厚さ、使っているネットワーク、メモのルール、そしてIOST 3.0への対応ぶりが評価のポイントです。Upbitはもっとも厚いウォン市場を持ち、エアドロップを毎月配布していますが、ホットウォレットのハッキングを2回経験しています。Coincheckは日本で最初にIOSTを上場した取引所で、板取引の手数料は安いものの板は薄めです。Bitkubは唯一のバーツ建て市場を運営していますが、ガバナンス面の経緯は先に読んでおきたいところです。IndodaxにはIOST/IDRがありますが、取引量はごくわずかです。Binanceはもっとも厚いIOST/USDTの板を持つ一方、ベトナムや台湾ではライセンスを持っていません。
OKJ、BitTrade、Bithumb、Coinone、Bittime、Tokocryptoといった規模の小さい取引所も含め、国ごとのすべての取扱い先を一覧で見たい方は、IOSTを買える取引所比較をご覧ください。
まずは自分の国からチェック!自分に合うルートの選び方
出発点は、どの取引所の広告が目立つかではなく、自分がどこに住んでいるかです。自国通貨のIOSTペアを持つ監督下の取引所があるなら、それが基本の選択肢になります。板取引の手数料を比べ、そこで実際にどれくらいIOSTが取引されているかを確かめ、板が薄ければ指値注文を使いましょう。使うつもりのネットワークにその取引所が対応しているか、そしてエアドロップを気にするなら、その取引所がIOST 3.0のエアドロップに対応したかも確認しておきます。
国内に上場先がない場合は、暗号資産をどう手に入れるか、どの海外取引所で交換するか、その取引所がお住まいの国で認められているかを決める必要があります。税金のために、すべての取引の記録を残しておきましょう。そしてどのルートを選ぶにしても、金額はリスクに見合った範囲にとどめてください。IOSTは2018年1月の最高値から99%以上下落していて、相場は上にも下にも大きく振れますし、ネットワーク自体もまだ変化の途中です。お金を入れる前に、IOSTは危ない?リスクと詐欺対策を読んでおくのがおすすめです。
よくある質問
IOSTはどこの国で買える?自国通貨で買えるアジアの国は?
日本、韓国、タイ、インドネシアには、IOSTを自国通貨で買える当局監督下の取引所があります。日本はCoincheckとOKJのIOST/JPY、韓国はUpbit・Bithumb・CoinoneのIOST/KRW、タイはBitkubのIOST/THB、インドネシアはBittimeとIndodaxのIOST/IDRです。台湾のFSC登録業者はIOSTを扱っておらず、ベトナムには認可された取引所がまだないため、どちらも暗号資産経由になります。
IOSTがアジアで一番取引されているのはどこ?
中心はBinanceのIOST/USDTと、韓国UpbitのKRW-IOSTの2つです。この2か所だけで世界のIOST取引のかなりの割合を占めます。BithumbとBitkubがそれに続き、日本は登録業者での上場数こそ最多ですが、円建ての板は薄めです。
IOSTは日本だけで人気なの?
いいえ。IOSTのCEOは日本を最大のコミュニティと呼んでいますが、取引量では韓国が日本を大きく上回り、Upbitは世界有数のIOST市場です。タイのBitkubやインドネシアの取引所にもIOSTの自国通貨ペアがあります。
CEX.IOでIOSTは買えますか?
買えません。CEX.IOはIOSTを上場していません。日本以外の国では、CEX.IOでカードを使ってBNBなどの暗号資産を買い、IOSTを扱う取引所へ送る人もいますが、CEX.IOは日本居住者を受け付けていません。
アジアの国でIOSTを持つのは合法?
このページで扱う6か国のどこでも、IOSTの保有そのものは禁止されていません。違うのは取引できる場所です。日本・韓国・タイ・インドネシアは国内取引所を監督し、台湾はAML登録制、ベトナムは政令284/2026で無認可の取引所での取引に罰金を定めています。購入前にお住まいの国のガイドを確認してください。
取引所によってIOSTの価格が少し違うのはなぜ?
取引所ごとに独自の板があり、通貨も違うため、需要と供給、流動性、為替レートによって価格が少しずつずれます。日本円の板のように取引が少ない市場では、買い注文と売り注文の差も広がりがちです。取引前に換算ツールで目安のレートを確認しましょう。
出典・参考資料
- 金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」 · 規制当局の登録一覧
- JVCEA グリーンリスト · 自主規制団体
- Upbit お知らせ4789(IOSTへのDAXA注意喚起) · 取引所のお知らせ、2025年1月13日
- タイSEC デジタル資産事業者ライセンス検索 · 規制当局の登録一覧
- CFX インドネシアの暗号資産リスト(IOST) · 公式の取扱可能銘柄リスト
- 台湾FSC・証券期貨局 VASPのAML登録一覧 · 規制当局の登録一覧
- CEX.IO 対象外の国・地域 · 取引所ヘルプセンター
- CoinGecko IOSTティッカーAPI · マーケットデータAPI

