このページの内容
IOST送金の要点
IOSTの送金は、3つの要素がそろっていれば安全です。ネットワーク、アドレス、そして取引所への入金ならメモです。IOSTを失った話のほとんどは、このどれかを間違えたケースです。数量や手数料はそれほど問題になりません。IOSTメインネットには送金ごとのトークン手数料がなく、トランザクションは約30秒で取り消せない状態になります。
ページ上部のトラッカーは、IOSTメインネットとBNBチェーンのデータをリアルタイムで読み取ります。送金後にトランザクションハッシュやアカウント名を貼り付ければ、送金が通ったかどうかがわかります。このガイドでは、送金が届くかどうかを左右するルールを順番に説明します。どのネットワークを選ぶか、メモはどう機能するか、メモを忘れたらどうするか、手数料の代わりにガスとRAMがどう働くか、取引所は何を請求するか。最後に、毎回の送金前に確認したいチェックリストを載せています。
最初の一歩:ネットワークを選ぶ(メインネットかBEP-20か)
2025年3月のIOST 3.0アップグレード以降、「IOST」は2つのチェーン上にある2種類のトークンを指すようになりました。メインネット(L1)のIOSTは、今も動いているもともとのIOSTブロックチェーンのネイティブコインです。BEP-20版IOSTはBNBスマートチェーン上のトークンで、新しいウォレットの多くが扱うのはこちらです。3つ目のネットワークとしてIOST L2(チェーンID 182)もありますが、ガスはBNBで払い、ブリッジもBNBしか移せないため、IOSTをL2に送る場面はほとんどありません。取引所の入金画面ではこの2つは別物として扱われ、一方を他方のアドレスに送ってしまうのは資産を失う典型例です。
| IOSTメインネット | BEP-20(BNBチェーン) | IOST L2 | |
|---|---|---|---|
| アドレスの形 | アカウント名(5〜11文字) | 0x…アドレス | 0x…アドレス |
| 取引所へのメモ | 必要(毎回) | 不要 | 取引所では使われていない |
| 送金コストの支払い | ステークしたIOSTのガス | BNB | BNB |
| 主なウォレット | iWallet Pro、TokenPocket(Android) | MetaMask、Trust Wallet、Ledger | MetaMask(カスタムネットワーク) |
| 取引所の対応 | Coincheck、Upbit、Binanceなど大半 | Binance。日本・韓国では対応を確認できず | 確認できず |
| エクスプローラー | iostscan.com | bscscan.com | l2-scan.iost.io |
出典:IOST開発者ドキュメント、docs.iost.io、各取引所の入金ページ。
実践的なルールは「受け取る側に合わせる」ことです。取引所に送るなら、その入金ページを開いて対応ネットワークを確認します。CoincheckとUpbitはIOSTメインネットのみで、BEP-20版IOSTへの対応を示した国内取引所はありません。Binanceは両方に対応しています。ウォレットに送るなら、ウォレットが決めます。iWallet Proならメインネットのアカウント名、MetaMaskなら0xアドレスです。BEP-20の公式コントラクトは0xAf48B7e315a52518CfBF7d96C455D9dFAD94cB48で、BNBチェーン上でIOSTを名乗るそれ以外のトークンは公式ではありません。2つの形が生まれた理由はIOST 3.0の解説で説明しています。
2つのチェーンの間の移動は、今のところ一方通行です。公式のiBridge(iostbridge.com)はメインネットのIOSTをBEP-20版に変換し、1回あたり最小10,000 IOST、最大1,000,000 IOSTです。500,000 IOSTを超える大口の移動には10分から10時間かかることがあります。逆方向、つまりBNBチェーンからメインネットへの移動は「近日対応」とされたままです。MyEtherWalletにIOSTを送るという古い解説を見かけることもありますが、それは2018年のERC-20時代の話です。BinanceがIOSTで提供しているネットワークはメインネットとBEP-20だけなので、イーサリアムのアドレスに出金しないでください。
メインネット入金のメモのルール
IOSTメインネットではアカウントの作成にトークンがかかるため、公式の取引所向けガイドは、利用者ごとにアカウントを作らないよう取引所に案内しています。その代わりに各取引所は1つの入金アカウントを運用し、利用者ごとに固有のメモを割り当てます。入金は共有アカウントに届き、メモによって誰のものかが判別される仕組みです。取引所の入金画面に「アカウント名」と「メモ」の2つの欄があり、両方とも正確にコピーしなければならないのはこのためです。Binanceの入金画面にも、メモとアドレスの両方が必要だとはっきり書かれています。
ほとんどのケースは3つのルールで足ります。メインネットのIOSTを取引所へ送るときは、必ずメモを一字一句そのまま付ける。メインネットのIOSTを自分のウォレットや知人の個人アカウントに送るときは、相手に求められない限りメモは不要。BEP-20版IOSTには、どこへ送るにしてもメモ欄がありません。BNBチェーンでメモを求められたら、ネットワークを間違えています。日本の取引所アプリでは送金画面に「メモ」の欄があり、Coincheckでは、XRP、NEM、XLMと並んでIOSTもメモの確認が必要な通貨として案内されています。
1つのアカウントに、何千人もの利用者
取引所のIOST入金アカウントは、すべての利用者で共有されています。入金とあなたを結びつけるラベルはメモだけです。ラベルがなければ、コインは正しい建物には届いても、誰の郵便受けにも入りません。メモ漏れが理屈の上では取り戻せても、実際には時間がかかり確実でもないのはこのためです。
IOSTのメモを忘れたときの対処法
まずは落ち着いて、もう一度送り直さないでください。アカウント名が正しければ、IOSTはほぼ確実に取引所の入金アカウントに届いています。問題は、取引所がそれを手作業であなたの口座に照合してくれるかどうかで、その対応は取引所によって大きく違います。
Binanceには、ヘルプページによれば、メモ漏れやメモ間違いの入金を自分で申請して復旧する手続きがあります。手数料は復旧に成功した場合のみかかります。現在の表ではネットワークの出金手数料相当とされていますが、以前のページでは出金手数料の5倍と書かれていました。所要時間の目安は2〜3日で、結果は保証されていません。手数料を差し引いた残りが最小出金額を下回る場合は、復旧できません。Coincheckは送る側として厳しめで、トランザクションIDが付いた出金は、メモの間違いを含めてやり直し・取り消し・返金に応じないとしています。取り消しできるのは、出金がまだ処理待ちの間だけです。完了した送金が届いていない場合、Coincheckは受け取り側のサービスに問い合わせるよう案内しています。
トランザクションを探す
IOSTエクスプローラーかiostscan.comでハッシュを調べ、ステータスがIRREVERSIBLEで、受取人が取引所の入金アカウントになっているかを確認します。
情報をそろえる
トランザクションハッシュ、送金元アカウント、数量、日時、そして本来使うべきだったメモ(入金ページに表示)を控えます。
受け取り側の取引所に連絡
公式の問い合わせフォームか、自己申請の復旧ツールを使います。資金を取り戻すとDMしてくる人には絶対に返信しないでください。
待つ。送り直さない
復旧には数日かかり、成功するとも限りません。正しいメモで新しく送るのは問題ありませんが、最初の入金が直るわけではありません。
IOSTの送金手数料:手数料の代わりにガスとRAM
IOSTメインネットは、トランザクションごとにトークンの手数料を取りません。その代わり、IOSTをステーク(担保として預け入れ)してガスを受け取り、トランザクションでそのガスを消費します。1 IOSTをステークすると、すぐに100,000ガスがもらえ、その後1日あたり100,000ガスずつ増えて、ステークした1 IOSTあたり300,000ガスが上限です。ガスは売買できず、ステークの解除には72時間かかります。単純な送金で使うガスは約9,000です。
実際にどういうことか見てみましょう。メインネットのアカウントには、作成時点で最低10 IOSTがステークされています。10 IOSTのステークで1日に1,000,000ガスが生まれ、1回の送金が約9,000ガスなら、追加費用なしで1日あたり約100回送金できる計算です。それ以上送りたい場合は、ガスの回復を待つか、IOSTを追加でステークします。ステークしたIOSTは消費されるのではなくロックされるだけなので、72時間の解除期間を経れば戻ってきます。ただし、失敗したトランザクションもブロックに記録され、ガスを消費する点には注意が必要です。
もう1つの資源がRAMです。コントラクトの状態やトークン残高などのデータを保存するためのもので、システムから市場価格で購入します。空きRAMが減るほど価格が上がり、購入時には2%の手数料がかかってバーン(焼却)されます。売り戻すこともできます。ふつうのIOST送金でRAMを買う必要はありません。RAMが必要になるのはアカウント作成時(標準で約1KBを購入するため、新規アカウントはステークとRAMで合計約11.6 IOST)やコントラクトの利用時です。アカウント作成についてはIOSTウォレットのガイドで解説しています。なお、ガスのためのステークは、報酬を得るためのノード投票(ステーキング)とは別のものです。
BEP-20やL2の送金は、ほかのEVMチェーンと同じくBNBでガス代を払います。BEP-20版IOSTを持っていてもBNBがゼロのMetaMaskでは、何も送れません。同じウォレットに少しBNBを入れておきましょう。L2は送金コスト0.001ドル未満を目標に掲げていますが、利用はごくわずかです。
ガス用のBNBや暗号資産が必要なら、先に用意
海外在住の方向け:BEP-20版IOSTを動かすにはBNBが必要で、海外のIOST市場の多くはドル建てのステーブルコインが基準です。カードで必要なものを買い、正しいネットワークで送りましょう(日本からは利用できません)。
日本にお住まいの方はCEX.IOを利用できません。国内でIOSTを買う場合は、金融庁に登録された暗号資産交換業者をご利用ください。
IOSTの送金時間:確定までの目安
IOSTメインネットは0.5秒ごとにブロックを生成します。17のブロックプロデューサーが順番に6ブロックずつ連続で生成し、その顔ぶれは10分ごとに選び直されます。トランザクションはほぼ一瞬でブロックに取り込まれますが、取り消せない状態(IRREVERSIBLE)になるのは、プロデューサーの3分の2を超える承認を得てからです。開発者ドキュメントではこれを約40秒としており、私たちの調査中のチェーンデータでは、最新ブロックと最後に確定したブロックの差は約32秒でした。
つまり正直な答えは「チェーン上は約30秒、そこに取引所側の処理時間が加わる」です。取引所によっては独自の承認回数を待ったり、まとめて処理したりするため、入金が反映されるまで数分かかることがあります。それ以上かかる場合は、エクスプローラーでトランザクションを確認しましょう。ステータスがIRREVERSIBLEで、アカウント名とメモが正しければ、遅れているのは取引所側です。BEP-20の送金はBNBチェーンの処理時間に従います。
取引所の出金手数料と最小出金額
ネットワーク自体は無料でも、取引所は独自の出金手数料を設定しています。私たちが確認できた数字は次のとおりです。Binance:IOSTメインネットは手数料1 IOST、最小2 IOST、メモ必須。BEP-20は手数料29 IOST、最小58 IOST、メモ不要。Coincheck:同社FAQによると1.0 IOSTでメインネットのみ、Coincheckユーザー間の送金は無料。Upbit:公開されている出金手数料ガイドでは0 IOST、メインネットのみ(アプリでの再確認をおすすめします)。BitkubとIndodaxについては、公式ページでIOSTの手数料やネットワークを確認できなかったので、出金画面で確かめてください。ネットワークのルールは取引所比較で一覧にしています。
ネットワーク選びがなぜ大事か、例で見てみましょう。Binanceから1,000 IOSTをメインネットで出金すれば、手数料は1 IOSTで999 IOSTが届きます。BEP-20なら29 IOSTが手数料になり、届くのは971 IOSTです。受け取り側がメインネットに対応しているなら、そちらが安い道です。また、価格と同じくらい大事なのが状態です。2026年10月のgo-iost v4.0.0アップグレードでは、Upbitが10月21日から26日までIOSTの入出金を止め、Binanceは10月30日の時点でも両ネットワークの出金を停止していました。出金ページにメンテナンスと出ていたら、再試行ではなく「待つ」が正解です。
日本でよく検索される「コインチェックからバイナンスへ送金」についても触れておきます。日本在住の方が使えるのは金融庁登録のBinance Japanで、グローバル版のbinance.comは金融庁から警告を受けている業者です。送る前に、受け取り側の入金画面でIOSTメインネットに対応しているかとメモの有無を確認してください。Binance Japanのネットワーク対応は、私たちは公式ページで確認できていません。
IOSTを送る前のチェックリスト
送金のたびに、このリストを確認してください。1分もかかりませんが、取引所のヘルプページやサポート告知で見てきた典型的な失敗をすべてカバーしています。
送信ボタンを押す前に
- 受け取る側が、このネットワーク(IOSTメインネットまたはBEP-20)に対応している。
- 両方の取引所で、そのネットワークの入出金が再開されていて、メンテナンスのお知らせがない。
- アカウント名または0xアドレスは手入力ではなく貼り付けで、最初と最後の文字を確認した。
- 取引所へのメインネット入金では、入金ページのメモを正確に貼り付けた。
- BEP-20の場合、ガス代用のBNBが少しあり、トークンは公式コントラクトのものだ。
- 手数料を引いたあとの数量が、取引所の最小出金額を上回っている。
- 少額のテスト送金が届いたのを確認してから、本番の金額を送る。
- 誰かに先に連絡をもらって「IOSTをここに送って」と頼まれたわけではない。
送金状況の確認とウォレットのチェック
送金したら、ウォレットや取引所の履歴からトランザクションハッシュをコピーし、ページ上部のトラッカーに貼り付けるか、公式のメインネットエクスプローラーiostscan.comで開いてください。成功したメインネットの送金には、IRREVERSIBLEのステータス、送金元と送金先のアカウント、数量、メモが表示されます。BEP-20の送金はbscscan.comで確認します。各項目の見方はエクスプローラーのガイドで解説しています。
よく似た偽トークンにも注意しましょう。メインネットのトークン一覧には「iiost2」「iost_」「fakeiost」といった名前のスパムトークンがあり、BNBチェーンにもIOSTの名前をまねたコピーが出回っています。本物のメインネットのコインはシンボルがiostで、本物のBEP-20トークンは上記のコントラクトです。身に覚えのない残高がウォレットに現れても、触らないでください。「本人確認のためにIOSTを送って」と求める偽エアドロップなど、よくある詐欺はIOSTは危ない?のページでまとめています。
まだIOSTを持っていない方は、IOSTの買い方から始めてください。あのガイドは、ちょうどこのページの入り口、つまり出金とネットワーク選びとメモで終わっています。
よくある質問
IOSTの送金にメモは必要?
メインネットのIOSTを取引所に送るときは必要です。取引所はすべての入金を1つの共有アカウントで受け取り、メモで利用者を見分けているからです。自分のウォレットへの送金には、通常メモは不要です。BNBチェーンのBEP-20版IOSTはメモを使いません。
IOSTの送金でメモを忘れたらどうなる?
IOSTはたいてい取引所の入金アカウントには届いていますが、あなたの口座には反映されません。トランザクションハッシュ、送金元アカウント、数量、日時をそろえて受け取り側の取引所に問い合わせてください。Binanceにはメモ漏れの自己申請による復旧手続きがありますが、Coincheckは完了した送金のやり直しや取り消しはできないとしています。
IOSTの送金手数料はいくら?
IOSTメインネットには送金ごとのトークン手数料がありません。ステークしたIOSTから生まれるガスを使い、どのアカウントにもある10 IOSTのステークで1日あたり約100回の送金をまかなえます。取引所の出金手数料は各社が独自に決めており、たとえばBinanceのメインネット出金は1 IOSTです。
IOSTの送金時間はどれくらい?
メインネットのトランザクションは約0.5秒でブロックに入り、約30〜40秒で取り消せない状態(IRREVERSIBLE)になります。取引所は独自の承認を待ってから入金を反映することがあるため、数分ほど見ておきましょう。
BEP-20版IOSTをCoincheckやUpbitに送れる?
送れません。CoincheckとUpbitが受け付けるのはIOSTメインネットのIOSTだけです。メインネット専用の取引所にBEP-20版IOSTを送ると資産を失うおそれがあるので、送る側と受け取る側でネットワークを必ずそろえてください。
IOSTの出金が停止されているのはなぜ?
取引所はネットワークのアップグレードやウォレットのメンテナンス中にIOSTの送金を止めます。2026年10月のgo-iost v4.0.0ハードフォークでは、Upbitが5日間入出金を停止し、Binanceはさらに長く出金を止めていました。取引所のお知らせを確認し、ネットワークが再開されるまで待ってください。
出典・参考資料
- IOST開発者ドキュメント — 取引所向けガイド(メモ、送金あたりのガス、ファイナリティ) · 公式ドキュメント
- IOST開発者ドキュメント — 経済モデル(ガスのステーク、RAM) · 公式ドキュメント
- IOST開発者ドキュメント — アカウント · 公式ドキュメント
- IOSTドキュメント — IOST 3.0への接続(BEP-20コントラクト、L2ネットワーク) · 公式ドキュメント
- Coincheck FAQ — 完了した送金とメモの誤り · 取引所のヘルプページ
- Binance — タグ・メモ漏れ入金の自己申請による復旧 · 取引所のヘルプページ
- Upbit — IOST v4.0.0ハードフォークのお知らせ · 取引所のお知らせ(2026年10月)
- IOSTSCAN — 公式のメインネットエクスプローラー · 公式エクスプローラー

