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まず結論から
IOSTメインネットでいう「ステーキング」とは、投票のことです。ブロックを生成したいノードを支持してIOSTをロックすると、1 IOSTが1票として数えられ、投票者はプロトコルが発行するトークンの一部を受け取ります。やめたいときは投票を取り消し、72時間たてばIOSTを自由に動かせるようになります。自分で行うには、メインネットのアカウントと、投票に署名できるウォレットが必要です。
ほかによく使われるのは、取引所に預ける方法です。日本の取引所はIOSTのステーキングや貸暗号資産を提供してきましたし、BinanceにはIOSTのフレキシブル型Earn商品があります。IOST 3.0では、2025年にBNBチェーン上で1回限りのStakeDropも行われました。どの方法でも報酬はIOSTで支払われるため、円やドルに換算した成果は価格に大きく左右されます。ノード投票について、信頼できるリアルタイムの年利を公表している人はいません。
ページ上部の計算ツールは、あくまで例として年利5%を仮定しています。実際に提示されている利率ではなく、本当の利率は変動し、短期間だけ大幅に高い・低い商品もあります。スライダーを動かして数字の変わり方を確かめ、結果は約束ではなく大まかなイメージとして見てください。
IOSTメインネットのノード投票
IOSTのコンセンサスはProof of Believability(PoB)と呼ばれます。実際の動きは委任型プルーフ・オブ・ステークに近く、トークン保有者が投票し、十分な票を集めたノードがブロック生成の顔ぶれに加わります。稼働中のチェーンでは17のブロックプロデューサーが、はるかに多い登録候補の中から10分ごとに選び直されています。もともとの設計と実際の運用の違いはIOSTの技術のページで解説しています。
ドキュメントでは、ノードは3種類に分けられています。登録しただけのノードが候補ノード、得票の基準を満たしたもののブロックは生成しないのがパートナーノード、ブロックを生成するのがServiノードです。候補からパートナーやServiに上がるには、210万票を超える得票と審査が必要です。1つのアカウントが紐づけられるServiノードは1つまでで、ノード運営者は自分自身に投票することもできます。
投票者は、保有するIOSTを複数のノードに分けて投票できます。ここでよくつまずくのが、ガスのためにステークしたIOSTやRAMに使ったIOSTには投票権がないという点です。数えられるのは、実際に投票に回した自由な残高だけです。たとえば5,000 IOSTを持っていて、そのうち10 IOSTがガス用にステークされているなら、投票できるのは残りの分までです。
これまで、取引所やステーキング事業者がIOSTのパートナーノードを運営してきました。プロジェクトのプレスリリースには、Binance Staking、Huobi Wallet、Moonstake、Everstake、日本のHashHubやStir、BITPOINT、HashKey DX、CoinTradeのノードなどの名前が挙がっています。何年も前の提携もあるので、投票先を選ぶ前にiostscan.comで現在のプロデューサー一覧を確認してください。自分で投票するにはセルフカストディのウォレットが必要です。メインネットのアカウントに対応する選択肢はIOSTウォレットのガイドで紹介しています。
ステーキング報酬はどこから来るのか
報酬は新しく発行されるIOSTで、利用者が払う手数料ではありません。もともとのメインネットの設計では、年2%が発行されます。そのうち半分の1%はServiノードだけに支払われるブロック報酬で、ドキュメントでは1ブロックあたり約3.3 IOSTとされています。残りの1%が投票報酬の原資で、その半分はパートナーノードとServiノードに得票数に応じて、もう半分はそれらのノードに投票した人に保有割合に応じて分配されます。
報酬は172,800ブロックごと、つまりほぼ1日に1回たまっていきますが、自動では届きません。投票者用の引き出し操作で請求する必要があり、ドキュメントによれば未請求の報酬に期限はありません。また、ノードや投票者のプールには誰でも報酬を追加できます。一部のノードが投票者に追加報酬を「還元」しているのはこの仕組みによるもので、ノードごとに実質の利回りが違う理由の1つです。
数字には落とし穴もあります。IOST 3.0のドキュメントはブロック報酬を「毎年半減」するスケジュールとして説明しており、メインネットのドキュメントにある年2%と矛盾しています。実際の供給量も、年2%では説明できないペースで増えています。どちらの説明が現行なのか、私たちには断言できません。供給量の数字と食い違いはIOSTの発行枚数と供給量のページで整理しています。
報酬はIOSTで支払われる
このページで紹介するどの方法も、報酬は円やドルではなくIOSTで増えます。報酬が増えるより速く価格が下がれば、コインの枚数は増えても価値は減ります。まずIOSTの枚数で計算し、そのあとで円に換算して考えましょう。
IOSTステーキングの年利(APR)の目安
IOSTの投票には公式なリアルタイムの年利がなく、信頼できる公開トラッカーも見つかりませんでした。参考になるのは、取引所が公表してきた利率です。OKJのステーキングのヘルプページでは、2022年の計算例で推定年率8.88%が使われていました。BITPOINTは2024年12月に最大12.5%の想定年率でIOSTのステーキングを始め、当時は国内最高水準でした。
次にキャンペーンです。OKJは2025年10月に、10日間のハロウィン「Flash Deal」として年率31.31%を提供し、BitTradeは2026年5月、IOSTの貸暗号資産の特別募集で年率100%をうたいました。いずれも上限や条件のある短期の販促です。通常のステーキングでいくら受け取れるかとは関係がなく、これを「IOSTの年利」として紹介するのは誤解を招きます。「IOST ステーキング 利回り」で検索して目に入る高い数字の多くは、こうしたキャンペーンです。
上部の計算ツールの仮定を使った例を挙げます。50,000 IOSTを年利5%の仮定で1年間投票し、毎日複利で回したとすると、増えるIOSTは約2,560枚です。年2%なら約1,000枚にとどまります。それが割に合うかどうかを決めるのは利率よりも価格で、価格はIOSTの価格・チャートで確認できます。
BNBチェーンのStakeDrop(シーズン1)
StakeDropはIOST 3.0のトークン計画の一部で、メインネットの投票とは別のものです。BNBスマートチェーン上のBEP-20版IOSTをMetaMaskなどのBSCウォレットでステークする仕組みで、原資は合計14億9,240万IOSTのプールでした。内訳はシーズン1が8億5,280万、シーズン2が6億3,960万です。最小ステーク額は10,000 IOSTでした。
期間は90日から730日で、倍率は90日で1.5倍、180日で2倍、365日で3倍、730日で4.5倍、その間は補間されます。90日未満は報酬ゼロです。シーズン1の募集期間は2025年4月23日から5月24日までで、その時点でステークがロックされました。報酬は2025年5月24日から48か月かけて段階的に付与され、請求期間は2029年5月21日から90日間です。
途中で抜けることはできますが、代償は大きめです。実際に預けていた日数で倍率が計算し直され、さらに報酬に30%のペナルティがかかります。元本は減りません。ステーキングのコントラクトは監査を受けており、監査報告は公式FAQからリンクされています。シーズン2については日程も状況も見つけられませんでした。iost.io自身が発表しない限り、シーズン2の預け入れを受け付けていると称するサイトは信用しないでください。
IOST 3.0で新たに発行される213.2億枚のうち、最大の60%は60か月かけて放出されるノード報酬に充てられています。ただし、StakeDrop以外に、利率を公表したオープンなL2のバリデーター向けステーキングは見つかりませんでした。L2とトークンの配分についてはIOST 3.0の解説で詳しく取り上げています。
取引所のステーキングと貸暗号資産(日本と海外)
IOSTを増やす商品が最も多かったのは日本ですが、その数は減ってきています。OKJ(旧OKCoin Japan)は2022年1月からIOSTのステーキングを提供しており、同年2月には15日・30日のプランを追加しました。ヘルプページでは、日々の報酬を「数量×推定年率÷365」で計算すると説明しています。OKJはステーキング中のIOSTをIOST 3.0エアドロップの対象にも含め、3周年の記念として200万IOSTをステーキング参加者で分け合うキャンペーンなども行ってきました。
CoincheckがIOSTで提供しているのはステーキングではなく、貸暗号資産サービスです。Coincheckの貸暗号資産のページでは、14日から365日の期間で最大年率5.0%とされていますが、銘柄ごとの料率はログインしないと見られず、IOSTの料率は確認できませんでした。エアドロップに関して大事な点が1つあります。CoincheckのFAQでは、IOST 3.0のスナップショット時点で実際に貸出中だったIOSTは対象外とされていました。「コインチェック IOST ステーキング」で検索する人は多いのですが、正確には貸出であることを押さえておきましょう。BitTradeもIOSTの貸暗号資産を提供しており、2026年5月の特別募集もその1つです。手数料や安全面の記録を含む全体像はCoincheckのレビューをご覧ください。
教訓になるのがBITPOINTです。2024年12月に手数料無料・想定年率12.5%でIOSTのステーキングを始めましたが、SBI VCトレードに統合されたBITPOINTは、JVCEAの記録によると2026年8月5日にIOSTの取扱いを終了しました。MoppyのポイントをIOSTに交換してステーキングできたCoinTradeも、2026年7月8日にIOSTの取扱いをやめています。現在もIOSTを扱う金融庁登録業者はCoincheck、OKJ、BitTrade、Binance Japanの4社で、詳しくは日本でIOSTを買うにはで紹介しています。
日本以外では、Binance Earnにいつでも解約できるIOSTのフレキシブル型商品があります。利率は変動し、表示される数字には段階的なボーナスが含まれることもあるので、アプリで確認してください。ただし、binance.comは日本で登録されていないため、日本在住の方の選択肢にはなりません。韓国のUpbitのステーキングサービスにはIOSTの商品が見当たらず、タイのBitkubにもIOSTのステーキングはありませんでした。
IOSTを増やす方法の比較
主な方法を表に並べました。「ロック」はIOSTが拘束される期間で、最後の列は私たちがまず気にするリスクです。
| 方法 | 利用先 | ロック / 解除 | 報酬の出どころ | 主なリスク |
|---|---|---|---|---|
| メインネットのノード投票 | 自分のメインネットウォレット | 投票取消後72時間 | プロトコル発行のうち投票者の取り分 | 鍵の管理、ノード選び |
| StakeDrop シーズン1 | BSC上のBEP-20版IOST | 90〜730日、途中解約は報酬30%減 | 852.8M IOSTの固定プール | 長期ロック、価格変動 |
| 取引所のステーキング | OKJ(日本) | プランによる | 取引所が示す想定年率 | カストディ、取扱廃止 |
| 取引所の貸暗号資産 | Coincheck、BitTrade | 期間固定 | 貸借料率やキャンペーン | カストディ、エアドロップ対象外 |
| フレキシブル型Earn | Binance Earn | いつでも解約 | 変動・段階制 | 日本居住者は対象外 |
出典:IOST開発者ドキュメント、docs.iost.ioのStakeDropページ、各取引所のヘルプページ。利率は変動するため掲載していません。
海外在住でステーキング用のIOSTがほしいなら
2013年から運営されているCEX.IOでは、カードでBNBなどの暗号資産を買えます。IOSTは上場しておらず日本ではサービスを提供していないため、一般的にはIOSTを扱う取引所へ暗号資産を送り、IOSTを買って自分のウォレットに移してから投票します。
日本にお住まいの方はCEX.IOを利用できません。国内でIOSTを買う場合は、金融庁に登録された暗号資産交換業者をご利用ください。
IOSTはマイニングできる?
できません。IOSTにはプルーフ・オブ・ワークのマイニングがないので、グラフィックボードでもASICでもスマホでも採掘はできません。「IOST マイニング」はさまざまな言語で検索されていますが、新しいIOSTが生まれるのは、メインネットでのブロックプロデューサーと投票者へのプロトコル発行と、IOST 3.0ではBNBチェーン上の予定された発行スケジュールだけです。
それでもIOSTの周りで「マイニング」という言葉を見かけるのには、3つの理由があります。2020年には、パンプキン(Pumpkin)のようなIOST上のDeFiアプリが「流動性マイニング」の報酬を出していました。「IOST ステーキング パンプキン」という検索が今も残っているのはその名残です。最近では、IOST Signetリングが「マイニング」でIOSTの報酬を得られるかのように宣伝されましたが、これは購入に連動した報酬制度で、マイニングではありません。さらに、古い配分表には一般向けのトークン枠を「miner, ICO, trader」と記したものがあり、誤解を招くこの表記が今もコピーされています。
IOSTのクラウドマイニング、マイニングプール、マイニングアプリとして売られているものは、すべて詐欺と考えてください。掘るものが存在しない以上、そうしたサービスにできるのはあなたの預け金を持ち去ることだけです。詐欺の全体像はIOSTは危ない?のページでまとめています。
IOSTをロックするリスク
1つ目のリスクは価格です。年に数%の報酬は、IOSTの値動きに比べれば小さなものです。IOSTは2018年1月の最高値から99%以上下落しています。1年分のステーキング報酬は、数週間の値動きで簡単に吹き飛びますし、ロック中は売りたいときに売れません。
2つ目はロックそのものです。メインネットの投票取消は72時間と短めですが、StakeDropの期間は最長2年で、途中解約には報酬30%のペナルティがありました。取引所のプランにもそれぞれ条件があり、2026年10月のgo-iost v4.0.0アップグレードの際には、取引所がIOSTの入出金を数日間止めました。解除までの期間が短くても、ネットワークと取引所の両方が正常に動いていなければ意味がありません。
3つ目はカストディ(預け先)です。取引所に預ければコインを管理するのは取引所で、2026年のBITPOINTやCoinTradeのように取扱いを終了することもあります。商品によってエアドロップとの関係もまちまちで、タイミング悪く貸し出していると配布を受け取れないこともあります。最後に、セルフカストディではリスクが自分に移ります。鍵が1つ漏れれば、ステーク中の残高ごと失います。このガイドを含め、どの解説を信じる前にも、IOSTの投票に関する公式ドキュメントなどの一次情報を確認してください。
よくある質問
IOSTのステーキングのやり方は?
主な方法は2つです。メインネットのIOSTアカウントからブロック生成ノードに投票する方法(1 IOST=1票で、報酬は投票コントラクトから請求)と、取引所のステーキングや貸暗号資産のサービスを使う方法です。IOST 3.0のBNBチェーン上のStakeDropは、これとは別の期間限定のプログラムでした。
IOSTのステーキングの年利(利回り)は?
ノード投票の公式なリアルタイム年利はありません。取引所の数字は、OKJの計算例で8.88%、BITPOINTの開始時に最大12.5%の想定年率などがありましたが、30%を超えるような数字は短期のキャンペーンでした。どの数字も変動する目安として扱ってください。
IOSTのステーキング解除にはどれくらいかかる?
公式の開発者ドキュメントによると、IOSTメインネットで投票を取り消してIOSTが戻るまでは72時間です。7日かかるという説はドキュメントでは裏付けられていません。解除中の3日間は報酬が付きません。
IOSTはマイニングできる?
できません。IOSTにはプルーフ・オブ・ワークがないため、GPUやASIC、スマホアプリで採掘することはできません。新しいIOSTは、ブロックプロデューサーと投票者へのプロトコル発行、IOST 3.0では予定された発行スケジュールから生まれます。IOSTのクラウドマイニングをうたう話は詐欺と考えてください。
BinanceでIOSTをステーキングできる?
Binance EarnにはIOSTのフレキシブル型商品があり、いつでも解約できますが、利率は変動し、段階的なボーナスが含まれることもあるのでアプリで確認してください。ただしbinance.comは日本で登録されておらず金融庁から警告を受けているため、日本在住の方は国内の登録業者を利用してください。
ステーキング中や貸出中のIOSTもエアドロップの対象になる?
取引所によって異なります。OKJはステーキング中のIOSTをIOST 3.0エアドロップの対象に含めましたが、CoincheckのFAQでは、スナップショット時点で実際に貸出中だったIOSTは対象外とされていました。スナップショットの前にコインをロックするときは、必ず取引所のお知らせを読んでください。
出典・参考資料
- IOST開発者ドキュメント — 投票(Vote) · 公式ドキュメント
- IOST開発者ドキュメント — 経済モデル · 公式ドキュメント
- IOST開発者ドキュメント — Serviノードになる · 公式ドキュメント
- IOSTドキュメント — StakeDrop · 公式ドキュメント
- IOSTドキュメント — StakeDropとエアドロップのFAQ · 公式ドキュメント
- OKJ — IOSTステーキングのヘルプ記事 · 取引所のヘルプセンター
- JVCEA — グリーンリスト · 自主規制団体
- BitTrade — IOST貸暗号資産の特別募集 · 取引所のお知らせ(2026年5月28日)

