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まず結論から
インドネシアでもIOSTは合法的に買えます。現実的なルートは三つです。BittimeとIndodaxはどちらもIOST/IDRを扱っているので、ルピアから1回の取引でIOSTを買えます。TokocryptoはIOST/USDTなので、先にルピアを暗号資産に替えます。私たちの調査でルピア建ての板がいちばん厚かったのはIndodaxではなくBittimeでした。Indodaxは国内で最も知名度の高い取引所なので、意外に感じる人も多いはずです。
次に知っておきたいのが税金です。インドネシアでは、暗号資産を売るたびに取引額に対して低い税率の分離課税がかかり、その税率は取引する場所で変わります。国内の認可プラットフォームなら0.21%、海外のプラットフォームなら1%です。この差と、OJKが監督する業者を使うことで得られる法的な保護が、IOSTの売買を国内で完結させる大きな理由になります。日本のように年間の利益に雑所得として課税する仕組みとは考え方がまったく違うので、ジャカルタなどに駐在している日本人の方は特に注意してください。以下では、ルール、取引所、ルピアの入金、税金の計算例、避けるべき詐欺を順に見ていきます。
BappebtiからOJKへ:暗号資産を規制するのは誰か
インドネシアは暗号資産を規制対象の金融資産として扱っており、そのルールの担い手は最近になって交代しました。ここでも法律、規制当局、実務の三つに分けて整理します。
法律
長いあいだ、暗号資産は商品(コモディティ)として扱われ、商業省の先物取引監督機関Bappebtiが監督していました。金融セクター法(UU 4/2023、通称P2SK)と政令PP 49/2024により、2025年1月10日から監督権限は金融サービス庁(OJK)に移っています。現在の中心となる規則はPOJK 27/2024です。暗号資産をaset keuangan digital(デジタル金融資産)として位置づけ直し、誰がどのように取引できるかを定めています。
規制当局
OJKは、一般のユーザーが直接やり取りする暗号資産業者を認可しています。これをPAKD(Pedagang Aset Keuangan Digital)と呼びます。2026年9月時点でOJKの集計は28社で、2026年1月の25社から増えました。最も新しいのは2026年9月22日に認可されたPT Gudang Kripto Indonesiaです。その周りに、株式市場でいう取引所にあたる暗号資産取引所(CFXとICEx)が2つ、清算機関が2つ、カストディアンが2つあります。政府のタスクフォースSatgas PASTIは、2026年5月までに違法な暗号資産プラットフォーム228件を閉鎖しました。OJKは2025年12月に認可業者のホワイトリストを公表しており、確認すべきなのはこのリストです。
取引所の実務
認可業者は、KTP(インドネシアの身分証)と自撮り写真で本人確認を行います。外国籍の居住者はパスポートに加えてKITASまたはKITAPが必要と報じられています。ルピアはインドネシアの銀行や決済手段で受け付け、売却のたびに分離課税を源泉徴収し、さらに少額の取引所賦課金を加えます。また、取引所の取扱銘柄リストに載っている資産しか扱えません。ここでIOSTの話につながります。
公式の取扱銘柄リストに載るIOST
POJK 27/2024のもとでは、各取引所(bursa)が認可業者の扱える資産のリストを管理しています。これはBappebti時代の「取引可能な暗号資産リスト」に代わるものです。IOSTはCFXのリストにIOST-586として、「Global」「Utility」のカテゴリーで掲載されており、2024年2月18日から有効です。CFXのリスト全体には約1,300の資産が載っているので、掲載はあくまで最低条件であり、お墨付きではありません。ICExのリストは確認していません。
買う側にとってなぜ重要なのでしょうか。それは、このリストがあるからこそ国内取引所でのIOSTの取扱いが合法になるからです。取引所のリストにない銘柄は認可業者が販売できないので、そうした銘柄をインドネシア人向けに扱うアプリは危険信号と考えてください。IOSTの掲載はCFXの銘柄検索で自分でも確認できます。なお、リストは資産を対象にしており、特定のネットワークを指定するものではありません。IOST 3.0以降、IOSTは独自のL1チェーンとBNBチェーン上のBEP-20トークンの両方で存在しており、どちらに対応するかは取引所ごとに異なります。
- 2022年Bappebti時代の税制PMK 68/2022で登録業者経由の売却に0.1%の分離課税と0.11%の付加価値税。
- 2024年2月18日IOSTがCFXリストに掲載資産ID IOST-586、カテゴリーはGlobalとUtility。
- 2024年9月11日Indodaxのハッキングホットウォレットから約2,200万ドルが流出、数日間停止。
- 2025年1月10日OJKへ移管P2SKとPOJK 27/2024によりBappebtiから監督が移る。
- 2025年8月1日PMK 50/2025施行国内0.21%、海外1%、暗号資産への付加価値税は廃止。
- 2026年9月22日28社目の認可業者PT Gudang Kripto IndonesiaがOJKのリストに加わる。
IOSTを扱うインドネシアの取引所
APIを公開している取引所はそのデータを、それ以外はCoinGeckoのティッカーデータを確認しました。結果は短いリストで、しかも板の厚さには大きな差があります。
| 取引所 | IOSTペア | ルピアから1回で買える? | 板の厚さ |
|---|---|---|---|
| Bittime | IOST/IDR | はい | 確認した中で最も厚いルピア板 |
| Indodax | IOST/IDR | はい | 非常に薄い |
| Tokocrypto | IOST/USDT | いいえ、先に暗号資産 | 小さい。Binance傘下 |
| Upbit Indonesia | BTC-IOST | いいえ | 確認時は取引なし |
| Pintu | なし | — | 取扱いなし |
| Reku | 見つからず | — | 一部のデータのみ取得 |
出典:各取引所のAPIとCoinGeckoのティッカー。取扱いと板の厚さは変わるため、まずアプリで確認してください。
相対的に見ると、スナップショットを取った日のBittimeのIOST/IDRの売買代金はIndodaxのおよそ15倍で、TokocryptoのIOST/USDTはその中間でした。とはいえ、3社とも大手グローバル取引所のIOST/USDT市場には遠く及びません。板が薄いと大口の注文一つで価格が目に見えて動くので、買う前に板の厚さを確認しましょう。日本・韓国・タイの市場との比較はIOST取扱い取引所の比較で見られます。
Bittime
ルピアで買うなら、まず候補になるのがBittimeです。理由は単純で、国内のIOST/IDRの板がいちばん厚かったからです。私たちはまだ本格的なレビューをしていないので、OJKのホワイトリストでの登録状況と、IOSTの入金ネットワークを確認してからコインを送ってください。
Indodax
Indodaxは2014年にBitcoin.co.idとして始まり、2018年に現在の名前になりました。顧客数は約1,000万人と報じられています。OJK認可の業者で、CFXの会員でもあります。ただIOST/IDRペアの取引はごくわずかで、2024年9月のハッキングもまだ記録に影を落としています。これらを踏まえた採点はIndodaxの詳細レビューにまとめています。
Tokocrypto
TokocryptoはBinance傘下の取引所で、IOSTはIOST/USDTのみ、IDRペアはありません。2026年にICExグループへ移ったと報じられています。普段からドル建ての暗号資産で考えている人や、他の場所から暗号資産を受け取って国内の監督下にある取引所でIOSTに替えたい人に向いています。
モバイル中心の市場
ルピアの入金:バーチャルアカウント、QRIS、電子マネー
インドネシアの取引所では、会社の口座に振り込んで照合を待つ、という方式は一般的ではありません。代わりにBCA、Mandiri、BRI、BNI、Permata、Sinarmasなどの銀行でバーチャルアカウントの番号が発行され、モバイルバンキングからそこに振り込みます。入金は自動であなたの口座に反映されます。Indodaxの少し古いガイドには、バーチャルアカウントでの入金は50万ルピア超なら無料、それ未満は2,000ルピアとあります。現在の料金表ではなく目安として考えてください。
多くの認可業者はQRISや、OVO、DANA、GoPayといった電子マネーにも対応しています。少額のチャージには便利ですが、割高になることがあります。Kontanは2024年11月、Tokocryptoが電子マネーでの入金に2%を課していたと報じました。100万ルピアの入金なら2%は2万ルピアで、多くの取引手数料より高くなります。お小遣い程度を超える金額なら、バーチャルアカウントでの振込のほうが基本的に有利です。
ルピアからIOSTまでの一般的な流れ
インドネシアでIOSTを買う手順
まず、自分のルートに合った取引所を選びます。IOST/IDRで直接買うならBittimeかIndodax、暗号資産を経由してもよいならTokocryptoです。KTPと自撮り写真で本人確認を済ませ、その会社がOJKのホワイトリストに載っていることも確認しましょう。日本人の駐在員などの外国籍居住者は、パスポートとKITASまたはKITAPが求められると報じられていますが、詳細は取引所ごとに確認してください。
次に、バーチャルアカウントからルピアを入金します。通常はこれがいちばん安い方法です。続いてIOSTの市場を開き、指値注文を出します。薄い板では成行注文が直近価格から大きく離れた値段で約定することがあり、そのずれ(スリッページ)は手数料と税金を合わせたよりも高くつくことがあります。Tokocryptoを使う場合は、先にルピアで暗号資産を買い、それからIOST/USDTで買うことになるので、スプレッドを2回負担する点を覚えておいてください。
最後に、IOSTの保管先を決めます。少額なら取引所に置いたままでも構いません。金額が大きい場合はIOSTウォレットのガイドを参考にしてください。他の取引所に出金するときは入金先のメモが必要で、メモを入れ忘れると資金を失うことがあります。理由はIOSTの送金方法で説明しています。IOSTの出金が停止されていないかも確認しましょう。2026年10月のv4.0.0ネットワークアップグレードの前後には、複数の取引所がIOSTの入出金を数日間停止しました。国を問わない一般的な流れはIOSTの買い方で紹介しています。
PMK 50/2025による暗号資産の税金
インドネシアでは、多くの国のように年末に暗号資産の利益に課税するわけではありません。売却や交換のたびに、その取引額に対して低い税率の分離課税(最終所得税、PPh第22条)がかかり、プラットフォームが源泉徴収します。2025年8月1日以降はPMK 50/2025により、国内の認可プラットフォームなら0.21%、海外なら1%です。DJPが指定した海外プラットフォームは1%を自ら徴収しますが、指定されていない場合は売り手が自分で納める必要があります。暗号資産が証券のように扱われるようになったため、暗号資産そのものへの付加価値税は廃止されました。ただし、プラットフォームの手数料には付加価値税がかかり、取引所はさらに少額の取引所賦課金を上乗せします。
計算例で差を見てみましょう。国内の認可取引所で1,000万ルピア分のIOSTを売ると、分離課税は2万1,000ルピアです。同じ売却を海外プラットフォームで行うと10万ルピアで、ほぼ5倍になります。税金は取引額にかかるので、利益が出ていても損失が出ていても課税されます。資料によると売却だけでなく交換も対象とされているため、暗号資産同士の交換も含まれる可能性があります。暗号資産建ての取引での扱いは取引所に確認してください。一般的な情報であり、税務助言ではありません。判断するのはDJPです。日本の税制との違いは日本のIOST事情で確認できます。
海外アプリ、P2P、CEX.IO
インドネシアからはグローバル取引所に簡単にアクセスでき、私たちの確認ではBinanceのP2P市場に、インドネシアの銀行を使うルピア建てのステーブルコイン広告が数百件ありました。ただし使うにはトレードオフがあります。海外プラットフォームで売却・交換した暗号資産はすべて1%の税率の対象です。OJK認可の業者を使うことで得られる国内の監督も失うため、トラブルは他国のルールで処理されることになります。
CEX.IOは海外の選択肢の一例です。2013年から運営されており、インドネシアのユーザーはネビスのCEX OVRS LLCと契約しますが、同社はアジアのライセンスを持っておらず、OJK認可の業者でもありません。IOSTは上場しておらず、インドネシア語のサイトもなく、QRISや電子マネーにも対応していません。入金はUSD・EUR・GBP建てのカードなので、ルピアのカードは銀行で両替されます。現実的な使い道は限られていて、カードで暗号資産を買い、TokocryptoなどIOSTを扱う取引所に送って交換する、というものです。なお、CEX.IOは日本居住者を受け付けていません。
振込よりカード派なら暗号資産からスタート
CEX.IOはIOSTを上場していません。そこでカードを使って暗号資産を買い、IOSTを扱う取引所に送って交換できます。インドネシアでは海外プラットフォームでの売却に1%の税率がかかる点を忘れずに。
日本にお住まいの方はCEX.IOを利用できません。国内でIOSTを買う場合は、金融庁に登録された暗号資産交換業者をご利用ください。
安全性、詐欺、IOSTのエアドロップ
2024年9月11日のIndodaxのハッキングは、取引所リスクが現実のものだと国内で思い知らされた出来事でした。取引所のホットウォレットから約2,200万ドルが流出し、プラットフォームは数日間停止して、入出金は段階的に再開されました。Indodaxは顧客資産は安全で、損失は会社が補填したと説明しています。ここから得られる教訓は国内取引所を避けることではなく、どの取引所にも売買に使う分だけを置くことです。
板が薄い?指値注文で!次にIOST 3.0のエアドロップです。その半分は2025年3月15日のスナップショットに基づいて取引所向けに割り当てられ、日本・韓国・タイの取引所は決まったスケジュールで配布しています。一方、インドネシアの取引所が配布を行うという公式な告知は見つかりませんでした。インドネシアの残高が対象になったとは考えないでください。手数料を払えば「解除」すると持ちかけるメッセージも信用してはいけません。公式の受け取り方法はIOSTエアドロップのガイドで、偽トークンやフィッシングはIOSTは危ない?で解説しています。
インドネシアでIOSTを買う前のチェックリスト
- 取引所がOJKの認可業者ホワイトリストに載っているか確認する。
- アプリの取扱いに違和感があればCFXの銘柄リストでIOSTを検索する。
- まとまった入金はバーチャルアカウントで。電子マネーは割高になることがある。
- IOST/IDRでは指値注文を使う。板は薄い。
- 取引所へのIOST入金には毎回メモを入力する。
- 送金前に、IOSTの入出金が開いているか確認する。
よくある質問
インドネシアでIOSTの取引は合法ですか?
合法です。IOSTは暗号資産取引所CFXが管理する取扱銘柄リストに資産ID IOST-586として掲載されており、2024年2月18日から有効です。これはOJK規則POJK 27/2024に基づく公式リストで、認可業者はこうしたリストにある銘柄しか扱えません。
ルピアでIOSTを買える取引所はどこですか?
BittimeとIndodaxがIOST/IDRの市場を持っており、私たちの確認ではBittimeの板のほうがずっと厚くなっていました。TokocryptoはIOST/USDTのみなので、先にルピアで暗号資産を買う必要があります。PintuはIOSTを扱っていません。
インドネシアの暗号資産の税金はいくらですか?
2025年8月1日施行のPMK 50/2025により、国内の認可プラットフォームでの暗号資産の売却には取引額の0.21%の分離課税(最終所得税)がかかります。海外プラットフォームでは1%です。暗号資産そのものへの付加価値税は廃止されましたが、手数料には付加価値税がかかります。一般的な情報であり、税務助言ではありません。
Indodaxはハッキング後も安全ですか?
Indodaxは2024年9月11日にホットウォレットから約2,200万ドルを失い、数日間サービスを停止しました。同社は顧客資産は安全で損失は会社が補填したと説明しています。現在もOJK認可の業者ですが、IOST/IDRの板が非常に薄いことのほうが、IOSTを買う人にとっては実務上の大きな問題です。
PintuでIOSTは買えますか?
買えません。Pintuの公開価格APIには数百のペアがありますが、IOSTは含まれていません。インドネシアでIOSTを買うなら、ルピア建てはBittimeかIndodax、IOST/USDTならTokocryptoが選択肢です。
QRISや電子マネーでルピアを入金できますか?
インドネシアの主要取引所は銀行のバーチャルアカウントに対応しており、多くはQRISやOVO、DANA、GoPayなどの電子マネーにも対応しています。手数料は取引所と方法によって異なり、2024年にはTokocryptoが電子マネー入金に2%を課していたと報じられました。支払う前にアプリの入金画面を確認してください。
出典・参考資料
- CFX — 暗号資産取扱銘柄リスト(IOST-586) · 公式の取扱銘柄リスト
- OJK — デジタル金融資産に関するPOJK 27/2024 · 規制当局の規則
- OJK — 認可デジタル資産業者のホワイトリスト · 規制当局のプレスリリース
- インドネシア税務総局(DJP)— PMK 50/2025と暗号資産課税 · 税務当局の記事
- Tokocrypto API — 取引ペア一覧(IOST_USDT) · 取引所API
- Pintu API — 価格一覧 · 取引所API
- CoinGecko — 取引所別のIOSTティッカー · マーケットデータAPI
- Indodax Academy — ルピアの入金方法 · 取引所のガイド

